殿部膿皮症(でんぶのうひしょう)は、おしり(臀部)の皮膚に慢性的な炎症や感染を繰り返す病気です。
毛穴が詰まり、その部分に細菌(主にブドウ球菌や連鎖球菌)が感染することで発症します。感染が皮膚の深い部分まで広がると、皮下に膿(うみ)がたまり、複数の膿の袋(膿瘍)やトンネル状の瘻孔(ろうこう)を形成することがあります。
どのような症状がありますか?
殿部膿皮症では、以下のような症状がみられます。
おしりの腫れやしこり
痛みや圧痛
膿の排出
衣類が汚れるほどの分泌物
発赤(赤み)や熱感
色素沈着による皮膚の黒ずみ
特徴的なのは、「良くなったと思ったら再び悪化する」という経過を繰り返すことです。長期間放置すると病変が徐々に広がり、複数の部位に発生することもあります。
痔瘻との関係
殿部膿皮症は一般的には肛門疾患とは直接関係のない病気です。
しかし、肛門の内部から感染が広がる「痔瘻(じろう)」が原因となり、臀部に広範囲の炎症や膿皮症を引き起こす場合があります。
そのため、おしりの慢性的な膿や腫れを認める場合には、痔瘻の有無を含めた専門的な診察が重要です。
注意すべき合併症
殿部膿皮症を長期間放置すると、慢性的な炎症によって病変が広範囲に及ぶことがあります。
また非常にまれですが、長年にわたり炎症を繰り返した病変部から皮膚がん(有棘細胞がん)が発生することが報告されています。そのため、長期間治らない病変は適切な治療を受けることが大切です。
治療について
殿部膿皮症の治療の基本は外科的切除です。
炎症や感染を繰り返している組織だけでなく、硬くなった皮下組織や色素沈着を伴う病変部を十分な範囲で切除することが重要です。
病変の広がりによっては複数箇所の皮膚欠損が生じますが、通常は創部を縫合せず開放した状態で管理し、肉芽組織が徐々に形成されながら自然に治癒していきます。
治癒までの期間は病変の大きさによって異なりますが、多くの場合は約1〜3か月程度です。
おしりの腫れや膿を繰り返す方はご相談ください
おしりにしこりや痛みがある
膿が繰り返し出る
なかなか治らない傷がある
おしりの皮膚が黒ずんでいる
痔瘻を指摘されたことがある
このような症状がある場合は、殿部膿皮症や痔瘻が隠れている可能性があります。
錦織病院では、肛門疾患専門医による診察・治療を行っています。肛門周囲や臀部の繰り返す痛み、腫れ、膿の排出でお困りの方は、お気軽にご相談ください。







