~毎日の服薬と定期検査が大切です~
潰瘍性大腸炎は、大腸に慢性的な炎症を繰り返す病気です。治療法の進歩により、多くの患者さんが良好な状態を維持できるようになりました。しかし、炎症が長期間続くと、潰瘍性大腸炎関連大腸がんを発症するリスクが高くなることが知られています。
なぜ大腸がんが起こるのでしょうか?
一般的な大腸がんは、大腸ポリープ(腺腫)ががんへ進展すると考えられています。一方、潰瘍性大腸炎では、慢性的な炎症が長く続くことで粘膜に遺伝子異常が蓄積し、がんが発生すると考えられています。
特に、発症から8~10年以上経過した方、全大腸炎型の方、炎症が十分に抑えられていない方、原発性硬化性胆管炎を合併している方などは注意が必要です。
定期的な内視鏡検査が大切です
潰瘍性大腸炎関連大腸がんは、平らな病変が多く、炎症との区別が難しいため、通常の内視鏡検査でも見つけにくいことがあります。
そのため、発症から約8年を目安にサーベイランス内視鏡検査を開始し、病状に応じて1~2年ごとの全大腸内視鏡検査を受けることが推奨されています。
定期検査は、前がん病変や早期がんの発見につながります。
毎日の服薬が大腸がん予防につながります
潰瘍性大腸炎では、症状がなくても腸の炎症が残っていることがあります。粘膜治癒(Mucosal Healing)を維持することも重要な治療目標です。
その基本となるのが、ペンタサ®、アサコール®、リアルダ®などの5-ASA製剤です。これらを毎日継続して服用することで炎症を抑え、再燃を予防します。
さらに、5-ASA製剤を良好なアドヒアランスで継続することは、潰瘍性大腸炎関連大腸がんの発症リスクを低下させる可能性も報告されています。
症状が落ち着いているからと自己判断で服薬を中止すると、炎症が再燃し、将来的ながん化リスクを高める可能性があります。病状によっては生物学的製剤やJAK阻害薬などを併用しますが、5-ASA製剤は治療の基本となる重要な薬です。
一方で、5-ASA製剤だけでは十分に炎症を抑えられない患者さんでは、生物学的製剤やJAK阻害薬などのAdvanced Therapyを適切なタイミングで導入することが重要です。患者さんそれぞれの病状や炎症の程度に応じて最適な治療を選択し、炎症を長期間しっかりコントロールすることが、症状の改善だけでなく、将来的な大腸がんリスクの低減にもつながると期待されています。
当院での取り組み
当院では、患者さん一人ひとりに合わせた薬物療法で炎症をコントロールするとともに、ガイドラインに基づいたサーベイランス内視鏡検査を行い、大腸がんの予防と早期発見に努めています。
毎日の服薬と定期的な内視鏡検査は、大腸がん予防の両輪です。
適切な治療を継続することで、安心して日常生活を送ることができます。
治療や検査についてご不安なことがありましたら、お気軽に当院へご相談ください。







