7月16日にWeb開催された、潰瘍性大腸炎の治療をテーマとした「IBD Web Seminar」において、座長を務めました。
近年、潰瘍性大腸炎の治療薬は大きく進歩し、患者さんの病状や生活背景に応じて、さまざまな治療法を選択できるようになっています。
今回のセミナーでは、抗インテグリン抗体製剤である**ベドリズマブ(商品名:エンタイビオ)**を中心に、潰瘍性大腸炎の治療についてご講演いただきました。
インテグリンは、細胞同士の接着や、細胞が血管内から組織へ移動する際に重要な役割を担う分子です。
炎症性腸疾患では、リンパ球の表面にあるインテグリンが、腸管の血管内皮に存在する接着分子と結合することで、リンパ球が腸管粘膜へ移動し、炎症を引き起こす一因となります。
ベドリズマブは、この結合を選択的に阻害することで、炎症を引き起こすリンパ球が腸管へ移動するのを抑え、腸の炎症を鎮める薬剤です。腸管に選択的に作用することから、全身への影響が比較的少ないことも特徴の一つです。
潰瘍性大腸炎の症状や経過、治療への反応は患者さんごとに異なり、同じ患者さんでも時間の経過とともに変化します。そのため、病状を適切に評価し、一人ひとりに合った治療法を選択することが重要です。
日々進歩する炎症性腸疾患診療の知見を取り入れながら、奈良県においても患者さん一人ひとりに最適な医療を提供できるよう、今後も日常診療に取り組んでまいります。







