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炎症性腸疾患外来

当院では肛門疾患・大腸疾患における専門性の高い診断・治療を行っています。

大腸科では大腸がん・ポリープだけではなく、潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患の診断治療も積極的に行っています。炎症性腸疾患は日本でも患者数が増えてきており、当院でも200名以上の患者様が通院されています。

潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎について

潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜に炎症が生じて、びらんや潰瘍ができる大腸の疾患です。

中学高校生~30歳以下の成人に多いですが、50歳以上の年齢層にもみられます。
原因は不明で、免疫病理学的機序や心理学的要因の関与が考えられています。

潰瘍性大腸炎の症状の特徴

特徴的な症状としては、頻回の下痢があり悪化すると便に粘液や血液を伴います。
わが国の潰瘍性大腸炎の患者数は167,872人(平成28年度末の医療受給者証および登録者証交付件数の合計)で、人口10万人あたり100人と増加の一途をたどっています。

病変の部位は①直腸のみ、②直腸から左側の肛門に近い大腸、③全大腸のタイプがあります。
また症状は落ち着いた状態である「寛解(かんかい)」と症状のある「再燃(さいねん)」を繰り返す場合があります。

軽症では血便を伴いませんが、重症化すると水様下痢と出血が混じります。
関節炎、虹彩炎、膵炎、皮膚症状(結節性紅斑、壊疽性膿皮症など)などの腸管外合併症を伴うこともあります。

潰瘍性大腸炎の治療

症状が落ち着いている場合

症状が落ち着いている場合は、5-ASA製薬と整腸剤を中心に治療をおこないます。
症状がほぼ無い「寛解状態」を続けられることが治療としてまず重要なことです。

そのためには症状がないときこそ、しっかり5-ASA製薬の服用を継続することが重要であることが数多く報告されています。
また定期的な診察、血液検査、内視鏡検査による粘膜の状態の変化を診ていくことが重要です。

症状が悪化した場合

経過中に症状が悪化した場合は、5-ASAや副腎皮質ステロイドの座薬・注腸製剤による大腸への局所投与を行います。さらに改善が認められない場合は副腎皮質ステロイド剤の経口投与を行いますが、短期だけにとどめ副作用を極力少なくすることが大切なポイントです。
副腎皮質ステロイド剤の全身投与でも改善が乏しい場合や、いったん良くなっても再び症状が悪化する場合は、免疫調節薬・生物学的製剤の投与や血球成分除去療法を行います。

当院では免疫調節薬(アザチオプリン)、生物学的製剤(インフリキシマブ、アダリムマブ、ゴリムマブ、ベドリズマブ)、JAK阻害剤(トファシチニブクエン酸塩)等の新しい治療薬も外来通院にて使用しています。

このような内科的治療に反応せず改善がみられない場合には手術適応を検討する場合もあります。
再燃時の症状が非常に悪い場合には、当院は奈良県立医大などの高次医療機関とも積極的に連携しているため速やかな紹介を行っております。

クローン病

クローン病について

クローン病は主として10歳代~20歳代の若年者に好発します。
口から肛門までの消化管のどの部位にも炎症や潰瘍が起こりえます。
特に小腸と大腸に炎症を起こし、腹痛・下痢・血便・体重減少などが生じます。

また肛門の周囲に膿が溜まる「肛門周囲膿瘍」や「痔瘻」が最初の症状の場合もあります。
原因としてはなんらかの遺伝的な素因を背景として、食事や腸内細菌に対して腸に潜んでいるリンパ球などの免疫を担当する細胞が過剰に反応して病気の発症、増悪にいたると考えられています。

クローン病の症状の特徴

特徴的な初発症状としては、腹痛・下痢や微熱また体重減少があります。
さらに発熱、下血、腹部腫瘤、体重減少、 全身倦怠感 、貧血などの症状もしばしば現れます。

また前述の「肛門周囲膿瘍」や「痔瘻」を伴う場合や、関節炎、虹彩炎、 結節 性紅斑などの腸管外の合併症も多く、これらの有無により様々な症状を呈します。
クローン病の患者数は42,789人(平成28年度末の医療受給者証および登録者証交付件数の合計)で、近年増加の一途をたどっています。

クローン病の治療

症状が落ち着いている場合

症状のある活動期には、主に5-ASA製剤、ステロイドや免疫調節薬(イムランなど)などの内服薬が用いられます。
5-ASA製剤と免疫調節薬は、症状が改善しても、 再燃予防のために継続して投与を行います。
また、これらの治療が無効であった場合には、生物学的製剤(インフリキシマブ、アダリムマブ、ゴリムマブ)が使用し、同様に再燃予防のために継続投与を行います。

症状が悪化した場合

5-ASA製剤と免疫調節薬が無効であった場合には、生物学的製剤(インフリキシマブ、アダリムマブ、ゴリムマブ)を投与します。
腸管の高度狭窄や穿孔、膿瘍形成などの合併症に対しては外科治療や内視鏡的拡張術が行われます。前述の「肛門周囲膿瘍」や「痔瘻」は肛門手術を行ないます。
再燃時の症状が非常に悪い場合には、潰瘍性大腸炎と同様に奈良県立医大などの高次医療機関とも積極的に連携しているため速やかな紹介を行っております。

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