「症候性下痢症」とは
症候性下痢症とは、小腸や大腸そのものに明らかな器質的異常が認められないにもかかわらず、4週間以上持続または反復する慢性的な下痢を呈する状態を指します。
この病態は、糖尿病や甲状腺機能亢進症、慢性膵炎、副腎不全などの全身性疾患が背景にあり、それらが腸管機能に影響を及ぼすことで下痢を引き起こします。そのため、原因となる全身疾患の診断と治療が重要となります。
発症のメカニズムとしては、ホルモンバランスの異常や代謝障害により、腸の運動機能や水分・栄養の吸収能が低下し、結果として下痢が生じると考えられています。
主な原因疾患としては、以下が挙げられます。
・内分泌・代謝疾患
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)、糖尿病(自律神経障害)
・消化器疾患(腸以外)
慢性膵炎、吸収不良症候群
・その他
小腸内細菌異常増殖(SIBO)、副腎不全
慢性的な下痢を認める場合には、まず大腸内視鏡検査や便培養検査などを行い、腸管そのものの疾患(炎症性腸疾患や感染症など)を除外することが重要です。
また過敏性腸症候群(IBS)の除外も必要です。
詳しくはコラムの『過敏性腸症候群:IBSの症状・診断・治療について』の回を参照してください。
これらに異常が認められない場合に、「症候性下痢症」の可能性を考慮し、全身疾患の評価を進めていきます。
各病気の詳細と治療につきましては次回以後で解説します。
慢性的な下痢でお困りの方は、どうぞ当院へご相談ください。







