2026年11月7日、大阪市で開催された「第134回近畿肛門疾患懇談会」において、「当院で経験した肛門管扁平上皮癌と肛門管癌の考え方」と題して発表を行いました。
今回の発表では、当院で経験した肛門管癌の症例を振り返り、特に肛門管扁平上皮癌の特徴や発癌のメカニズム、肛門科診療における早期発見の重要性について報告しました。
肛門管扁平上皮癌の多くは、ヒトパピローマウイルス(HPV)、特にHPV16型・18方などの高リスク型HPVの持続感染と関連しています。
高リスク型HPVの感染を背景に、SIL(扁平上皮内病変)と呼ばれる前癌病変が形成され、その一部が長い時間をかけて癌へと進展すると考えられています。近年では、HPVワクチンによる感染予防や、高度扁平上皮内病変(HSIL)に対する適切な治療が、肛門扁平上皮癌の発症予防につながることも注目されています。
肛門管癌は比較的まれな疾患ですが、初期には出血や痛み、肛門部のしこりなど、痔核をはじめとする一般的な肛門疾患と似た症状を示すことがあります。
そのため、肛門科診療では、日常的な肛門疾患の診断・治療だけでなく、悪性疾患の可能性も常に念頭に置くことが重要です。
錦織病院・錦織肛門病センターでは、今後も日々の診療で得られた経験を学術活動を通じて発信するとともに、肛門疾患の正確な診断と適切な治療、悪性疾患の早期発見に努めてまいります。







