大腸に発生する一般的な「大腸ポリープ」とは性質が異なり、肛門ポリープは基本的に良性で、通常はがん化することはありません。
小さなものは症状がありませんが、大きくなると排便時に肛門の外へ脱出したり、違和感や出血などを生じたりすることがあります。
① 肛門ポリープができる原因
肛門ポリープは、肛門に慢性的な刺激や炎症が繰り返し加わることで形成されると考えられています。
主な関連要因として、以下のものがあります。
便秘や下痢による刺激: 硬い便の通過や頻回の排便による肛門への刺激
慢性的な肛門疾患: 裂肛(切れ痔)をはじめ、痔瘻(あな痔)や痔核(いぼ痔)などに伴う炎症や刺激
特に慢性裂肛では、肛門の外側に「見張りいぼ」、内側に「肛門ポリープ」が形成されることがあります。
これらは慢性裂肛に特徴的な所見の一つであり、肛門ポリープが認められた場合には、背景にある肛門疾患についても確認することが重要です。
② 肛門ポリープの主な症状
小さな肛門ポリープは無症状のことが多く、肛門の診察時に偶然発見されることもあります。
一方、ポリープが大きくなると、次のような症状が現れる場合があります。
● 排便時の脱出
排便時にポリープが肛門の外へ出てくることがあります。痔核(いぼ痔)の脱出と似た症状を呈することもあります。
● 肛門の違和感・異物感
肛門内に何かが残っているような違和感や、不快感を生じることがあります。
● 出血や痛み
排便時にポリープが刺激を受けたり、脱出を繰り返したりすることで、出血や痛みを伴う場合があります。
● かゆみ・肛門周囲の炎症
ポリープの脱出に伴う分泌物や刺激によって、肛門周囲にかゆみや皮膚炎を生じることがあります。
これらの症状は痔核や裂肛などでも認められるため、肛門鏡などを用いた適切な診察が大切です。
③ 肛門ポリープの治療について
肛門ポリープは良性の病変であり、小さく症状がない場合には、必ずしも切除する必要はありません。
一方、ポリープが大きくなって排便時に脱出する場合や、違和感、出血、痛みなどの症状を繰り返す場合には、外科的切除を検討します。
また、慢性裂肛などの肛門疾患を伴っている場合には、肛門ポリープだけを切除するのではなく、原因となる疾患を同時に治療することが重要です。
比較的小さなポリープでは、局所麻酔による日帰り手術が可能な場合もあります。一方、大きなポリープや、ほかの肛門疾患に対する手術を同時に行う場合には、入院での治療を検討します。
④ まとめ
肛門ポリープは、慢性的な刺激や炎症によって肛門乳頭が肥大した良性の病変であり、通常はがん化することはありません。
症状がなければ経過観察が可能ですが、排便時の脱出や違和感、出血などを繰り返す場合には、切除による治療を検討します。
また、慢性裂肛などの肛門疾患を合併していることもあるため、ポリープだけでなく、肛門全体の状態を適切に評価することが大切です。
錦織病院・錦織肛門病センターでは、肛門ポリープをはじめとするさまざまな肛門疾患に対し、症状や病変の状態に応じた治療を行っています。
肛門からの脱出や違和感、出血などでお困りの方は、お気軽にご相談ください。







