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肛門の病気

痔瘻(じろう、あなぢ)と肛門周囲膿瘍の原因と症状

肛門陰窩(いんか)というくぼんだ部分に腸内の細菌が侵入し、肛門腺が化膿すると、肛門の周囲に膿が貯まる「肛門周囲膿瘍」ができます。
これが自然に破れるか、病院で切開することにより、膿が排泄されます。
しばらくすると肛門陰窩~膿瘍部~皮膚切開部までが膿の通路となり、これを「痔ろう(あな痔)」といいます。

細菌が侵入する肛門陰窩を「1次口」あるいは「原発口」、膿がたまる部分を「原発巣」、膿が出ていく外側の皮膚部分を「2次口」と呼びます。


痔ろうの手術について

痔ろうには薬等による保存的治療法はありません。治療は手術のみです。

重要なポイントは1次口を確実に処理することです。
同時に重要なことが肛門括約筋の処理を最低限にとどめることです。
1次口~原発巣までの確実な処理による「根治性」と肛門括約筋の処理を最低限にする「機能温存」の両立が求められます。

痔ろうの治療は複雑さや深さにより、術式や難易度も異なり肛門専門医での治療が必要です。

痔ろうの管の走行が括約筋の深い部分を走行する場合は手術後の治癒期間が長くなります。
また痔ろうを長期放置した場合、癌化(がんか)することがあります。

1.瘻管切開開放術(ろうかんせっかいかいほうじゅつ)

1次口から2次口までの瘻管を、「切開して開けて内部を処理する」方法です。
切開後の肛門部は徐々に肉芽が盛り上がり完治します。再発率は1~2%程度で、きちんと治る可能性が高いです。

後方(背中)側にある痔ろうの場合、多くはこの術式で行います。
しかし深い痔ろうや肛門前方(腹)側を走行する痔ろうの場合、術後に肛門変形をきたす場合があり、注意が必要です。

2.括約筋温存術(かつやくきんおんぞんじゅつ)

瘻管を2次口から原発巣、さらに1次口までくり抜きます。
次にくり抜いた部分の1次口周囲粘膜と括約筋を縫い合わせて閉じます。

この方法は肛門括約筋の損傷が少なく、肛門の変形も少ないですが、再発率が10~20%と高いことが欠点です。

3.痔瘻結紮療法(じろうけっさつりょうほう)=シートン法

2次口から1次口までの瘻管に糸・ゴムを通して、ゆっくり締めていき、瘻管を切開していく方法です。

時間をかけて括約筋を再生させながら切り離していく方法ですので、肛門機能を温存させることができるのがメリットです。また肛門の変形もきたしにくい方法です。再発率は2%~5%程度です。

外来にて徐々にゴムを締めていき、最後にそのゴムが自然と取れたときに、治療完了です。
治療期間は平均3ヶ月程度ですが、半年程度かかる場合もあります。

当院は、日本大腸肛門病学会認定施設、日本臨床肛門病学会技術認定施設です。

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