肛門痛症は人口の約6.6%に認められる疾患ですが、現在でも原因が明確でないケースも多く、治療に難渋したり、改善までに時間を要することがあります。
直腸肛門痛の治療においては、まず背景にある要因を適切に評価することが重要です。
特に、便秘や下痢などの便通異常を伴う場合には、それらに対する治療を並行して行う必要があります。
さらに、腰椎疾患が関与していることもあり、腰痛を伴う場合には整形外科での評価・治療も重要となります。
生活習慣の改善も有効であり、ゆっくりとした入浴や適度な運動は症状の軽減につながることが知られています。
一方で、直腸肛門痛は一般的な鎮痛薬や外用軟膏では効果が乏しいことも多く、以下のような薬剤を組み合わせた治療が行われます。
ただし、効果発現までには一定の時間を要する場合があります。
・漢方薬(神経痛の緩和・筋攣縮の改善)
疎経活血湯、芍薬甘草湯
・末梢神経障害性疼痛治療薬
タリージェ、リリカ
NSAIDsが効きにくい神経障害性疼痛に用いられます。副作用として眠気やめまいがあり、服用初期や自動車運転時には注意が必要です。
・抗うつ薬
ドグマチール(一般名:スルピリド):低用量で抗うつ・抗不安作用を示し、消化器症状の改善にも用いられます。
サインバルタ(一般名:デュロキセチン塩酸塩):慢性疼痛(糖尿病性神経障害、線維筋痛症、慢性腰痛など)にも有効です。
・抗てんかん薬
リボトリール(一般名:クロナゼパム):神経の過剰な興奮を抑制し、疼痛軽減を図ります。
・神経ブロック療法
内服治療で十分な効果が得られない場合には、ペインクリニックでの神経ブロック注射が有効となることがあります。
・理学療法
肛門挙筋マッサージや電気刺激療法などが症状改善に寄与することがあります。
直腸肛門痛は原因が多岐にわたり、治療にも一定の時間を要することが少なくありません。
個々の病態に応じた治療を継続することが、症状改善の鍵となります。
肛門痛は診断・治療ともに未知の部分も多く、今後さらなる医療の進歩が求められる分野です。
症状でお困りの方は当院へご相談ください。







