ピロリ菌の除菌は、胃癌の予防や胃・十二指腸潰瘍などの治療に重要です。
ピロリ菌の感染率や胃癌との関係は『ピロリ菌って? 感染してたらどうする??』のコラムをご参照ください。
今回はピロリ菌の除菌法、成功率、注意点などについて解説します。
治療の概要
除菌治療は、胃酸の分泌を抑える薬と2種類の抗生物質を1週間服用します。除菌薬の内容は全国の医療機関で共通です。
1次除菌:胃酸分泌抑制剤と2種類の抗生物質を組み合わせます。成功率は約80%とされています。
2次除菌:1次除菌で失敗した場合、半年間以上経過してから投与が可能です。抗生物質の種類を変更して再度治療を行います。
治療のポイント
・決められた薬を、指示通りに正しく服用することが最も重要です。
・アルコール・カフェイン・タバコは除菌薬の効果を弱める可能性があるため、除菌期間中は控えた方がよいです。
副作用
下痢・軟便(4〜10%)
アレルギー(4〜10%)
舌炎・味覚異常(5〜15%)
皮疹(2〜5%)
副作用がでた場合は除菌が途中で中止になる場合があります。またこれらの症状は、服薬を終えれば改善することがほとんどですが、症状が重い場合は治療が必要となります。
除菌後の判定
当院では除菌終了後8週間以後に、呼気検査と便検査にて除菌の成功の有無を調べます。
『ピロリ菌の診断方法』のコラム回をご参照ください。
除菌後の注意点
・除菌によって胃酸の分泌が正常となることで、胸やけ等の逆流性食道炎の症状が出ることがあります。
・除菌後も胃がんのリスクがゼロになるわけではないため、除菌が成功した後も1〜2年に1回の定期的な内視鏡検査を受けることが推奨されます。特に、除菌前の慢性胃炎の状態が進んでいる場合は胃癌発癌のリスクがあり、注意が必要です。
胃の症状でお困りの方や、ピロリ菌感染についてご心配な方は当院へご相談ください。