令和8年最初のコラムでは5回連載で、肛門の病気別の『手術の必要性』について説明していきます。
【裂肛:切れ痔】
2017年~2024年の8年間で、当院へ受診された裂肛の初診患者さんは3854名でした。この中で手術を受けられた方は311人で、手術率は8.1%でした。これは100人の患者さんのうち、約92人は座薬や軟膏などの内科的治療を行い、8人が手術を受けられたことを意味します。
全国的にみて、肛門科専門病院における裂肛の手術率は5~10%が標準です。
これよりも極端に少ないと「手術すべき場合に手術をしていない」、一方で極端に多いと「手術が必要のない場合にも手術を行っている」とも考えられます。
裂肛の治療は、座剤・軟膏により肛門の痛みや出血を改善し、同時に便が硬かったり下痢にならないように便通の治療を継続して行うことが基本です。一方で、内科治療では治らない場合もあります。
肛門科専門病院における『裂肛で手術が必要となる条件』は概ね一致しています。
以下が代表的な痔核で手術が必要となる場合です。
✔ 肛門が狭い「肛門疾患」の場合は、内科的に改善することはなく、痛みや出血といった症状のさらなる悪化があるため、肛門狭窄形成術が必要となります。
詳しくはコラム『当院での裂肛(切れ痔)の治療』の回をご参照ください。
✔ 軟膏や排便の治療を的確に行っても、症状が一向に改善しなかったり、裂肛が慢性化しすぐに切れる状態が長期に続く場合も手術を考慮すべき状況です。内科的治療を続けてもらないという事です。
✔ 裂肛に伴ってできる肛門ポリープが大きい場合も、内科治療では改善が期待できず、手術が必要です。
詳しくは『切れ痔だったのにイボができた? 皮垂と肛門ポリープについて』の回をご参照ください。
以上が『裂肛で手術が必要となる条件』です。専門医として手術が必要と考えた場合は、その理由を含め、手術適応であることをお伝えさせていただきます。
このことは不必要に長い通院を回避し、早期に患者さん自身の生活の質:QOLの向上につながるからです。
当院では手術適応について当院では患者さんの希望を尊重し、慎重に決定しております。
肛門の症状でお困りの際は当院へご相談ください。







