東京ザ・プリンスパークタワーにて9月27日に開催されました潰瘍性大腸炎治療に関する『UC Expert Seminar 2025』に参加してきました。
潰瘍性大腸炎に対する新規治療薬である、オザニモド(ベルスピティ)の適正使用に関するセミナーでした。
薬剤がどのようにして潰瘍性大腸炎に効果をしめすのか、これまでの研究や臨床試験ではどういう結果が得られたのか、副作用や注意点はどこに注意すべきか等についての講演でした。
オザニモド(ベルスピティ)は、1日に1回1錠内服する薬剤で、2025年8月から使用が可能となった新薬です。
オザニモドは、S1P(スフィンゴシン-1-リン酸)受容体を調節する作用を有します。オザニモドは、リンパ球上に発現するS1P1受容体に結合し、リンパ球がリンパ節から循環血中へ移動するのを抑制することで、潰瘍性大腸炎における大腸内の炎症を抑制します。副作用としては徐脈や黄斑浮腫、肝機能障害等があります。
作用の仕方、適応、副作用など大変勉強となるセミナーでした。
潰瘍性大腸炎の症状経過は患者さんごとに多様であり、また経時的な変化にも富みます。
日々進歩する炎症性腸疾患診療ですが、個々奈良県でも最適な医療提供ができるよう、今後も日常診療を行っていきます。