肛門機能評価とは、排便に関する問題がある患者さんや肛門手術を行う患者さんの肛門の機能を評価する検査です。
具体的には、肛門の締める力、感覚、反射、排出時の肛門の動きなどを測定し、排便障害における原因の特定や手術前後での評価をするために行われます。
肛門機能評価の種類には「肛門内圧検査」「直腸感覚検査」「直腸肛門反射検査」「排便造影検査」「肛門部超音波検査」「SITZ MARK試験」などがあります。
・肛門内圧検査・・・肛門内に細いセンサーである最新式のデジタルの肛門内圧検査測定器を挿入し、肛門を締める筋肉(肛門括約筋)の測定や排便時の肛門の運動をリアルタイムに評価できます。
・直腸感覚検査・・・直腸内にバルーンを挿入し、膨らませながら便意を感じるタイミングや、便意を我慢できなくなるタイミングを測定することで、直腸の感覚を評価します。
・直腸肛門反射検査・・・直腸内にバルーンを挿入し、膨らませた時の肛門の反応を観察することで、直腸と肛門の反射機能を評価します。
・排便造影検査・・・バリウム造影剤を肛門から直腸に注入し、排便時の肛門や直腸の動きをX線で観察することで、排便時の直腸~肛門の動きや残便量を評価します。
・肛門部超音波検査・・・超音波で肛門括約筋の状態を観察し、損傷の有無や厚みを評価します。
・SITZ MARK試験・・・大腸通過時間検査とも言います。レントゲンに映る小さな粒(SITZMARKS®:ジッツマーク)を飲んでいただきます。飲んでから下剤を使わない状態で5日後に、大腸のレントゲン撮影をして、便が大腸を通過する時間を推定します。
肛門機能評価は、排便に関する問題を抱える患者の生活の質(QOL)を向上させるために重要な検査です。
当院は日本大腸肛門病学会認定施設ならびに日本臨床肛門病学会技術認定施設であり、大腸肛門病の専門施設です。
症状でお困りの場合は当院へご相談ください。
