おしりと胃腸のコラム
  1. HOME
  2. おしりと胃腸のコラム
  3. アーカイブ

おしりと胃腸のコラム

ステロイドの種類、使用法、副作用について

ステロイドは潰瘍性大腸炎、クローン病の治療に用いられます。

潰瘍性大腸炎の治療において、5-ASA製剤では病気のコントロールが不十分な中等症~重症の患者さんに対し、調子を良くする「寛解導入」時に使用します。

調子が改善した後に、ずっと使用する「寛解維持」には推奨されていません。クローン病でも同様の使用方法です。

ステロイド製剤は炎症が抑える作用が強く、7割程度の患者さんに効果が認められます。

ステロイド製剤には経口製剤と点滴製剤と局所製剤(坐剤・注腸)があります。

経口製剤は主に外来で1日あたり30mg程度から内服を開始します。重症の場合は点滴によるステロイド強力静注療法(1日あたり40mgから80mg)を行います。直腸~S状結腸に炎症がある場合は局所製剤の使用も考慮されます。

最初に十分な量のステロイド製剤を使用し、段階的に投与量を減量し、最終的に中止します。

ステロイドが効かないことを「ステロイド抵抗性」、ステロイドを減量すると症状が悪化することを「ステロイド依存」と呼びます。「ステロイド抵抗性」「ステロイド依存」は「難治例」と考え、他の薬剤・治療の追加や薬剤の切り替えを考慮します。

副作用には胃・十二指腸潰瘍、易感染性、骨粗鬆症、糖尿病、満月様顔貌、不眠等があげられます。副作用は特に長期にステロイド使用した場合に大きな問題となることがありますが、適切に使用された場合には副作用を最小限に抑えた上で病気のコントロールを行うことができます。

また最近ではステロイドの副作用を軽減したブデソニド製剤という新しいステロイド製剤が登場しました。ブデソニドは内服薬と注腸製剤があります。体内に吸収された後に肝臓で速やかに分解され、全身への副作用が少なくなっています。内服薬では潰瘍性大腸炎に使用するコレチメント、クローン病に使用するゼンタコートが、注腸製剤ではレクタブル注腸フォームがあります。しかし副作用が少ないとはいうものの、使用の目安は8週間以内とされています。

潰瘍性大腸炎、クローン病に関してお悩みの方は当院へご相談ください。

診療のご案内

  • 内視鏡外来(胃・大腸)
  • 肛門科
  • 内科
  • 糖尿病・内分泌内科
  • 便秘・排便機能外来