過剰な免疫反応による炎症が腸に起こる病気を「炎症性腸疾患」といい、潰瘍性大腸炎とクローン病の2つの病気があります。両疾患とも日本では急速に患者数が増加しており、推計で潰瘍性大腸炎は25万~30万人とされています。当院でも300人弱の患者さんが通院されています。
なぜ炎症性腸疾患が発症するかの原因は現在のところ解明されていませんが、人種差や家族歴などから何らかの遺伝的な要因が関与しているとの説があります。それに加えて動物性脂肪や、たんぱく質を多く摂取する人のほうが発症しやすいことから食生活や腸内細菌、喫煙、細菌やウイルスの感染などが影響していると考えられています。
発症年齢は20歳前後の若い方が多いですが、最近は50歳前後の方も増えてきています。
症状は下痢、便回数の増加、血便、腹痛等があり、その程度は様々です。
症状が落ち着いている場合もありますが、悪くなること「再燃」と、症状の落ち着いている「寛解」を繰り返すことも多く認めます。
炎症の範囲により直腸のみに炎症がある「直腸炎型」、直腸から口側のS状結腸や下行結腸まで炎症が広がる「左側大腸炎型」、横行結腸よりさらに口側に炎症が広がる「全大腸炎型」に分類されます。
また症状等の程度により、軽症、中等症、重症に分類されます。
治療等につきましては、後日ブログで書かせていただきます。
改善しない下痢や血便でお困りの方は当院へご相談ください。