潰瘍性大腸炎の治療は近年目覚ましい進歩を遂げ、治療選択肢が増えてきました。
スフィンゴシン-1-リン酸(S1P)受容体調節薬であるオザニモド(商品名ゼポジア)は、1日に1回1錠を服用する内服薬剤です。国内では潰瘍性大腸炎に対し、2025年3月から使用が可能となった新薬です。
オザニモドは、リンパ球上に発現するS1P(スフィンゴシン-1-リン酸)受容体に結合し、リンパ球がリンパ節から循環血中へ移動するのを抑制します。血液中のリンパ球を減少させることで、潰瘍性大腸炎における大腸粘膜内の炎症を抑制します。
利点としては1日に1錠の経口内服薬であること、炎症を継続的に抑えることで長期的な寛解維持が期待できることです。また従来の免疫抑制剤やステロイドや生物学的製剤に比べ、副作用が少ないことがあげられます。
副作用としては徐脈や黄斑浮腫、肝機能障害等があります。心疾患や不整脈がある患者さんへの投与は慎重であるべきとされています。
炎症性腸疾患治療でお悩みの方は当院へご相談ください。