大腸癌ができる過程について今回は説明します。
大腸ポリープができる原因は、主に遺伝子の異常(APC遺伝子の異常)であると考えられています。遺伝の異常を引き起こす要因としては、年齢(40歳以上)、家族歴、肉食、アルコール多飲、高カロリー食、肥満、喫煙などが指摘されています。
正常の大腸粘膜から良性のポリープである腺腫が発生します。その良性のポリープをしばらく放置し、大きくなると一部で「癌化」が起こるとされています。
この大腸ポリープからの大腸癌の発生のことを「adenoma-carcinoma sequence」(腺腫からの発癌)といいます。大腸癌の発生メカニズムとして最も多いパターンと考えられています。
当初、良性であるポリープはサイズが大きくなるにつれて「異型度」といって”顔つき”が徐々に悪くなり、一部が悪性である大腸癌となります。遺伝子のレベルでは、K-ras遺伝子やp53遺伝子が関与し、ポリープが癌化することが考えらえています。
大腸内視鏡検査で癌化する前の良性のポリープの状態で発見し、切除すれば大腸がんの発生予防につながります。
また大腸がんの発生経路には「adenoma-carcinoma sequence」以外の、ポリープを介さず正常な大腸粘膜から発生する「de novo発癌」もあります。また、遺伝子異常が原因でポリープが多発し30代頃から癌ができてしまう家族性大腸腺腫症という病気もあります。
定期的な大腸内視鏡検査により、大腸ポリープの切除ならびに大腸癌の発生の予防と早期発見が可能です。
大腸に不安がある方や内視鏡検査を希望される方は当院へご相談ください。
