便秘の治療薬には大きく分けて、「刺激性下剤」と「非刺激性下剤」の2種類があります。
「刺激性下剤」は大腸を直接刺激して蠕動(ぜんどう)運動(腸の収縮運動のこと)を促進して排便をしやすくする薬です。作用が強いため効き過ぎると腹痛や下痢を生じます。
長期間連続して服用することで、耐性(たいせい:徐々に効かなくなること)や腸の自然な動きが弱くなり、さらに便秘の悪化を引き起こします。また大腸の色が黒くなるメラノーシスを生じることがあります。具体的な成分にはセンナ(別名ゴールデンキャンドル・キャンドルブッシュ)、ビサコジル、アロエ、ダイオウがあります。現在下剤を服用中であれば、成分表を確認することが大切です。
「非刺激性下剤」は、便に含まれる水分量を増やし便を柔らかくして排便をしやすくする薬です。便に水分を引きつけたり、腸から分泌される水分を増やしたり、便のボリュームを増やす薬があります。
作用は穏やかで即効性はありませんが、耐性がなく長期の使用に向いています。具体的には古くから酸化マグネシウム製剤があり、最近ではアミティーザ、リンゼス、グーフィス、モビコールといった製剤が使用可能となりました。
また大腸の動きには腸内細菌も関わっており、整腸剤による腸内環境の改善を行う場合もあります。
また体質や加齢で腸の蠕動をアップする刺激の無い腸管運動賦活剤や漢方薬を使用する場合もあります。
便秘症治療は長期に行う場合が多く、「非刺激性下剤」を中心に治療を行うことが重症です。その上で排便のコントロールが難しい場合は頓用で「刺激性下剤」をうまく使用していきます。
便秘症でお困りの方は、当院へご相談ください。