痔核(いわゆる「いぼ痔」)の治療法には、症状の程度(軽症~重症)、出血・脱出の有無、患者さんの生活背景などによって段階的に選択肢があります。
大きく分けると 保存的治療・非観血的治療・手術治療 に分類されます。
また各治療を行う上で内痔核の脱出程度によるGoligher(ゴリガー)分類が目安になります。分類の詳細は、コラムの『いぼ痔の手術の適応は??』の回をご参考ください。
1. 保存的治療(軽症例や初期症状に)
生活習慣の改善
便秘・下痢の改善が基本です。
長時間の排便習慣や努責(いきみ)を避けることが大切です。
薬物療法
坐薬・軟膏、内服薬による治療が中心です。
コラムの『肛門に使う「軟膏・座剤・内服薬」について』の回をご参考ください。
2. 非観血的治療
出血や軽度の脱出を伴う場合に用いられます。
硬化療法(ALTA注射など)
痔核内にジオン注を注入し、血流を遮断して硬化・縮小させる方法です。
- コラムの『痔核(いぼ痔)に対するALTA療法とは?』の回をご参考ください。
赤外線凝固療法
主に外痔核に用います。赤外線により血流を凝固し、縮小させます。当院では本法は単独では使用せず、外科手術の際に補助的に使用します。
3. 手術治療
脱出が強い内痔核や保存的・非観血的治療で改善しない場合に行われます。
結紮切除術(けっさつせつじょじゅつ)
もっとも標準的な痔核手術。痔核を切除し、取り除き、粘膜を再縫合します。
- 当院ではさらに改良を加えた結紮切除術を提供しています。
- コラムの『当院の痔核(いぼ痔)の手術方法について』の回をご参考ください。
- ゴム輪結紮術(Rubber Band Ligation)
- 内痔核根部を輪ゴムで結紮し、壊死・脱落させる方法です。
- 合併症として潰瘍形成、大量出血があり注意が必要です。
- 内痔核根部を輪ゴムで結紮し、壊死・脱落させる方法です。
MuRAL(Mucopexy Recto-Anal Lifting)法:連続縫縮法
- 糸を用いて、痔と直腸粘膜を連続的に「縫い縮める」手術法です。
- コラムの『内痔核の手術 MuRAL(Mucopexy Recto-Anal Lifting)法:連続縫縮法について』の回をご参考ください。
まとめ
当院では痔核の程度、形態、経過といった全体的な状態をしっかりと診断し、最適な治療法を提供するように心がけています。
症状でお困りの方は当院へご相談ください。