当院での痔核・裂肛・痔瘻・直腸脱の根治手術は、ほぼ全例において腰椎麻酔で行っており、手術中の痛みはありません。また点滴から鎮静剤を投与しますので、手術中はウトウト眠られる方もいます。
腰椎麻酔の正式名称は、脊髄くも膜下麻酔です。脊髄を覆っている膜の下、脊髄くも膜下腔に局所麻酔薬を注入する麻酔法で、いわゆる下半身麻酔です。脊椎麻酔とも呼ばれます。
腰椎麻酔は、点滴で使う針よりも細い針で麻酔薬を投与します。当院では最も一般的な局所麻酔薬のブピバカイン(マーカイン®︎)を使用しています。
効果発現は非常に速く、痛みの知覚神経と運動神経をブロックすることで手術中の痛みを取り除きます。麻酔の持続時間は2時間程度です。
一方で腰椎麻酔ができない方もいます。抗血小板・抗凝固薬服用中や休薬期間不足、採血で血小板数や凝固能低下といった出血傾向のある場合は、腰椎麻酔後の出血がリスクとしてあるため使用できません。
また骨粗しょう症や背骨の手術で金属等がある場合は、針が脊髄くも膜下腔に到達できません。このような場合は点滴からの鎮痛麻酔薬と局所麻酔を組み合わせて手術を行います。
当院では年間500件程度の腰椎麻酔による手術を行っています。
肛門疾患でお困りの方、また手術を希望される方は当院へご相談ください。







